広告市況と全画面の広告
この数年、ディスプレイ広告の収益低下に悩むパブリッシャー様は多いのではないでしょうか。
その背景の一つには広告予算の変化があり、電通グループ4社の調査(※)では、2024年の日本のインターネット広告媒体費で動画広告が最も高い成長率を示し、推定開始以来初めてディスプレイ広告の媒体費を上回りました。
このデータから分かるように、広告予算は成長著しい動画広告へとシフトしているため、収益最大化には動画広告フォーマットを積極的に導入していくことが重要となります。
同様に、収益性の高いフォーマットとして全画面広告があり、こちらも取り入れていくことが大切です。
全画面広告は、ユーザーの視認性が高く、静止画案件だけではなく動画案件も配信され、結果としてCPMが従来のバナー広告と比較して高くなる傾向にあります。一方で、ユーザー体験とサイトの健全性を保つため、導入には慎重なバランスが求められます。
そこで本記事では、CPMの高い全画面広告フォーマットの種類とその具体的な事例、そして効果的な実装方法について詳しく解説していきます!
(※)出典:2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
全画面の広告の種類と特徴
全画面で表示される4つのフォーマットをご紹介します。
■Google インタースティシャル (AdSense /AdX)

Googleのインタースティシャル(以下、Googleインステ)は、Webサイト内のページ遷移時に表示されます。
全画面で表示され、ユーザーの目を引きやすく、Google AdXの在庫を配信出来るため、高いCPMが期待できます。
表示頻度は「1ユーザー1時間に1回」のように、1ユーザーに表示させる時間間隔の調整が可能なため、過度な配信を防ぐこともできます。また×ボタンをクリックすることですぐに閉じることができるため、ユーザー負担が少ないフォーマットです。
表示設定 | リーセンシー設定が可能 (例)1ユーザー○分に1回 |
CPM | 150~2,000円 |
おすすめ | 回遊性の高い記事メディアへなどへの配信 |
■SSPインタースティシャル

アイモバイルが提供している全画面型インタースティシャル(以下、SSPインステ)です。
Googleインステと同様に×ボタンですぐ閉じることが出来ますが、ADXインステと大きく違うのは、フリークエンシーやリーセンシーなど表示頻度を細かく制御が出来る点です。
またユーザーに興味を持たれやすいようなデザインのカスタマイズをすることで、CPMがGoogleインステよりも高くなるケースがあります。
GoogleインステとGoogle以外のインステは併用配信が可能で、連続表示を防げるためユーザビリティにも配慮しつつ、サイト全体の収益を向上させます。
表示設定 | リーセンシーとフリークエンシー設定が可能 (例)1ユーザー○分に○回、○PVを超えたら表示など |
CPM | 100~800円 |
おすすめ | Googleが配信出来ないメディアへの配信、Googleインステとの並走配信 |
■オファーウォール

Googleアドマネージャーのメッセージ機能の一部として提供される、Webサイト向けの広告フォーマットです。
ユーザーがコンテンツを閲覧しようとした際に「リワード広告を視聴する」というようなメッセージが表示され、リワード広告を視聴完了すると、コンテンツへのアクセス権が付与されるという、ユーザー主導の形式が特徴です 。
またアイモバイルのAdXタグをご利用している場合、追加のタグ設置が不要で、すぐに配信可能することが可能です!
表示設定 | リーセンシーとフリークエンシー設定が可能 (例)1ユーザー○PVを超えたら○分に1回表示 |
CPM | 300~4,000円 |
おすすめ | ユーザーがコンテンツへのモチベーションが高いメディアへの配信、 ツール系メディアなどへの配信 |
■Web動画リワード

Googleから提供されているWeb向け動画リワードフォーマットです。
特定の条件下で表示されるよう設定し、ユーザーが自ら選択した場合に動画広告が再生され、視聴完了でコンテンツへのアクセス権やサイト内で使用できるポイント獲得などが可能になります。
ツール系などユーザーのモチベーションが高いメディアと相性が良いです。
表示設定 | リーセンシーとフリークエンシー設定が可能 (例)1ユーザー○日○回まで |
CPM | 150~6,000円 |
おすすめ | ユーザーがコンテンツへのモチベーションが高いメディアへの配信、 サイト内ポイントなどがあるメディアへの配信 |
4つのフォーマットを表にまとめました。
Google インタースティシャル | Google以外の インタースティシャル | オファーウォール | Web動画リワード | |
---|---|---|---|---|
仕組み | 遷移時に遷移時に全画面表示全画面表示 | 遷移時に全画面表示 | ユーザーが選択し、リワード広告視聴で報酬 | ユーザーが選択し、リワード広告視聴で報酬 |
収益性(相対CPM) | 中~高 | 中~高 | 高 | 中~高 |
メリット | ・高い視認性 ・すぐ閉じることができる ・実装ハードルが低い | ・高い視認性 ・すぐ閉じることができる ・表示頻度の細かい制御 ・実装ハードルが低い | ・ユーザー同意に基づく収益化 ・ロイヤリティ向上の可能性 ・実装ハードルが低い | ・ユーザー同意に基づく収益化 ・サイト内報酬の提供 ・ロイヤリティ向上の可能性 |
導入時、気を付ける点 | ・表示頻度 | ・表示頻度 ・Googleインステとの併用時の表示タイミング | ・表示頻度 ・収益化のための適切な単価運用 | ・報酬価値の設計 ・フィルレート ・技術的な実装ハードルの高さ |
おすすめの使用法 | ・Google広告が配信できるサイトへの導入 | ・Googleインステとの併用 ・Googleが配信できないページへの配信 | ・コンテンツアクセス提供 ・サイト支援促進 ・有料プランの促進 | ・プレミアムコンテンツ解除 ・機能利用解放 ・Web to APP |
適切な組み合わせと収益化の成功事例
一種類の全画面広告に依存することは、収益機会を限定し、市況変化への耐性を弱めます。
複数の全画面広告を組み合わせることで、収益源を多様化し、異なるユーザーセグメントや好みに対応し、全体の収益性を向上させることが可能です。
実際に複数の全画面広告をサイトの設計に合わせて最適な形で導入し、収益がアップした例をご紹介します。
※以下は一例であり、表示頻度設定や仕様によって収益は大きく増減します
ニュース/記事系メディア
導入フォーマット:Googleインステ に SSPインステ を追加
PV:約3億PV
追加フォーマットの月収益:+約830万円
ユーザーのサイト内回遊が高いメディアで、Googleインステのみで収益化していたところ、SSPインステの併用をすることで収益が大幅にアップ。
アイモバイルではGoogleインステとSSPインステは重複表示しないよう、ユーザービリティを考慮した配信をすることが可能です。
ツール系メディア
導入フォーマット:SSPインステ に Web動画リワード を追加
PV:約7,000万PV
追加フォーマットの月収益:+約30万円
ツールのプラスアルファの機能開放をする際、ユーザーに動画リワードを見てもらう設計で導入しました。
表示頻度を絞っているため収益は少なく見えますが、今までは収益化出来なかった部分の改善をすることができました。
今回は4つの全画面広告フォーマットをマトリクス図で資料にまとめました!
また実際にご収益が20%〜140%増加した運用方法を資料のみ限定公開!

まとめ
インタースティシャル、オファーウォール、Web動画リワードは、従来のバナー広告中心の収益化を超えて、Webメディア全体の収益を大幅に向上させることが可能です。
しかし、これらのフォーマットを単に導入するだけではなく、サイトに適したフォーマットを選択し、それらを組み合わせ、収益目標とユーザー体験の維持という、時に相反する目的のバランスを取ることが不可欠です 。
また導入後は収益やユーザーからのフィードバックに基づいた継続的なテスト、分析、そして適応などを続けることも大切です。
アイモバイルではこれらフォーマットを最適な形で実装からテスト、分析まで行い、パブリッシャー様の収益最大化を支援することが可能です!
ぜひお気軽にお問合せください!